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処刑ライダーのsayaのレビュー・感想・評価

処刑ライダー(1986年製作の映画)
3.5
チンピラたちに殺されて恋人を奪われた男が死神レーサーとして現世に舞い戻り、いかさまレースで相手の車を強奪するチンピラたちに黒のカスタムターボ車で復讐を果たしていく物語です。
80年代全開ハードロックな洋楽チョイス、バーガーショップのウェイトレスがローラースケートで料理を運ぶ世界観まで古き良きアメリカを体現する作品でした。
上半身裸の上からジャケットを羽織るファッションセンスからしてどうかしていますね。
チンピラたちが清々しいくらい胸糞悪い連中で、突然現れた死神レーサーに一人ずつ勝負を挑んでは爆発していく様が痛快でした!
正直なところ、死神レーサーの能力はチート過ぎるので、チンピラたちが全員揃っている状況を狙って車で突っ込みさえすれば一瞬で復讐は終わる話なんですけどね。
じっくり時間をかけてひとりずつ復讐するなら、チンピラたちが恐怖に怯える演出を入れた方が盛り上がるはずですが、頭のネジの外れた命知らずな連中なせいで緊迫感が全くありません。
黒のターボ車に関わったせいで仲間が次々と死んでいるのに、最後までレースで決着をつけようとするチンピラたちが真面目すぎます。
そんなにレースがしたいなら最初からプロレーサーでも目指していれば、みんな幸せになれたはずなのですが。
車を強奪された人たちも盗難届さえ出せば取り戻せそうなのに、この映画には馬鹿正直な人たちしかいないのでしょうか。
殺されたはずの人間がどうやって現世に戻ってきたのか、死神レーサーは幽霊なのか実在するのか、復讐したチンピラの死体が無傷で目玉だけ抜かれているのは何故か、数々の疑問について何も説明しないまま終わるせいで最終的にヒロインがどうなったのかも不安が残ります。
ヒロインを助けるために死者が蘇るなら『ゴースト/ニューヨークの幻』みたいに切なくも感動する結末に普通はしませんか。
復讐に使用した黒い車の処分方法についても冤罪事件に発展しそうで嫌な予感しかしないです。
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