明石です

処刑ライダーの明石ですのレビュー・感想・評価

処刑ライダー(1986年製作の映画)
4.4
ギャング集団にイカサマのチキンレースを仕掛けられて敗北。負けた罰として車を奪われ、しかも恋人を強奪され殺害された男(なんたる悲運)が、不死身の最強ライダーとして蘇り、ゴロツキどもに復讐する話。

主演の復讐鬼役にはなんとチャーリー・シーン(マーティン・シーンの売れた方の息子!)。シリアスとコメディを行き来し、最終的にコメディに落ち着いた私の大好きな俳優さんですが、本作では持ち前のポーカーフェイスを生かしたナイスガイな復讐鬼がハマり役。

おヘソと太ももを露出した薄着の若い女性がジェネシスやらビリーアイドルやらのBGMを全身に浴びながら、ローラースケート(!)でハンバーガーを運ぶお店が舞台になってるという、エクストリーム80年代な作風がとても愛らしい。なにしろ監督はポルノ映画が主戦場のお方らしいので、これはこれで品格ある映画なのだと思う。特に”Never Surrender”をバックに流しながらのレースシーンは迫力大で、完璧に監督の趣味を映像化したような画面には興奮しっぱなしでした。

敵役のチンピラたちは『マッドマックス』を思わせるドアノブ程度の知性も持たない猿の惑星の住人のような方々で、どれだけ見てても彼らには憐憫のカケラも沸かないところが面白い。というかレースバトルを仕掛けたあとで殺す復讐展開自体マッドマックス感満載ですが、最後までライダーとしての勝負に賭けてるところは脳筋、、ではなくハードボイルドな気がする。

復讐のやり方が凄くて、レーサー本人ではなく車の方が不死身という設定。そのため、何度爆発しても蘇る車という超体当たりなB級な設定を生かし、レース相手に車ごと突っ込んで爆死させる超絶脳筋な復讐方法(もしかしてタランティーノの『デスプルーフ』はこれを元に作られてる?笑)。音楽も映像もとにかくフルスロットルでカッ飛ばす!!楽しい映画なのでした。
明石です

明石です