滝和也

おおかみこどもの雨と雪の滝和也のレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
1.0
この話には
1ミリたりとも
共感できない。

世の中には責任と
言うものがある。
無責任と自由を
履き違えてはならない。

「オオカミこどもの雨と雪」

良い話だ…そうなんだろう。真実の愛と愛ゆえに生まれた子供達を必死に守り、育てようとする母。その生まれ持った個性を活かし、その心のままに自由に育つ子供達。悲しみと喜びを知り、大人になって行く…一人は人と繋がり、一人は大自然と繋がり、共に強く生きていこうとする姿に涙を禁じ得ないのが事実…。

だがそんな私の感想は…上っ面に過ぎない。このストーリーを現実に当てはめてしまう、もしくはよりリアルに写し出すとしたら…。

真実の愛はまぁ良い。だが…彼を奇病持ちだとしたら如何なものか。一時の気持ちの高ぶりにより、奇病持ちの子を孕んで産む…。そしてその父である彼は奇病故の本能で死ぬ…。病気持ちの子を残された母は…。父は何の面倒も見ないのだ…。早死は罪だ。父のない子が苦労するのは当たり前だ…。金が何故あるかも無理クリだ…。

前半部だけで嫌になる。

美しい自然、ぶっきらぼうだが優しい田舎者。やっと落ち着く暮らし…。中盤ホッとしたが…。いきなり女子に獣臭いとか言う都会からの転校生が嫌になる。嫌がる女子を追いかけ回すガキに嫌気がさす。

そして…ラスト。雨には納得が行かない。お前は弟だが…長男だ。数年かもしれないが面倒みてくれた森の主の事もわからんでもないが…母親を危険に陥れた上に…育ててくれた母親の面倒も見ず、自分の道へ行くのは有り得ない。絶対に人の道を外れている…狼だからか。

この話は倫理観が壊れている。これを子供達が見てしまうのは良くない。自由というものを履き違えている。親になるのも、責任なら、子を産ますのも責任。子にも責任はある。その責任の上に、自由はあるのだ。誰かが犠牲になるなら…良い話風に語るべき話ではない…。悲しい話過ぎる…。
滝和也

滝和也