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おおかみこどもの雨と雪のおたにのレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
4.7
子供なんか育てたことないのに、花に感情移入しっぱなしの2時間でした。

子供を育てる難しさ。
実際にも何をしでかすか分からない子供たちの子育ては本当に難しいのだろうけど、オオカミになってしまうギミックがあることでその難しさが分かりやすく表現されていて良かった。
雨と雪がかわいい。に尽きる。子供の成長は嬉しいけど悲しい。もう一回言うけど子育てなんかしたことない。
母の強さたるや。時に優しく、時に厳しく。表情も声も素晴らしかった。

「人間」として生きるか「オオカミ」として生きるか。途中何気なく母が子×2に投げかけた質問が後半こんなに作用するとは。
この2択に限らず、人にはさまざまな側面があって、各々の生き方を決めるのは自分である。
雪は雨に「人間らしく学校に行け」、雨は雪に「自分たちはオオカミだ」と意見がぶつかり激しく姉弟喧嘩しつつも、お互いがお互いの道を選択する。近年話題の多様性へのメッセージ性も伺える。
雪がオオカミであると気づいていながらも「オオカミが好き」と答えた草平くん、イケメンすぎ。
「なんでオオカミは人間に嫌われるのか」と疑問を抱いていた幼少期の雨が尊敬する目標(先生)に倣い、オオカミへの道を決心する姿が「独り立ち」を強調していて切なくもカッコいい。

近所農家の優しさにも胸打たれた。他者を気にかけて受け入れるって意外と難しいけど大事。
それぞれの性格も多種多様でユーモアがあって温かかった。

アニメ独特のわざとらしさがなくて個人的にも観やすかったし没頭した。
何度でも観たい。
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