フッカー

おおかみこどもの雨と雪のフッカーのレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
4.2
母は強し
「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」を除けば細田守作品で一番好きなものかもしれない。
母の愛、これがホントにもう心に響きますね。気持ちが繊細に描かれていてとても良いなあと。

大学のときある男と恋に落ちた母
その男はなんとオオカミ男だった!!(比喩ではなく笑)
そうして生まれた二人の子供は、人間とオオカミのこども。おおかみこども。
どちらにも成れるが逆に言うと、どちらとも割りきれない。

そんな二人を抱えどう育てていけばよいか悩む母。人間としてか。オオカミとしてか。病気の治療も通常の病院では行えず、独学で家庭の医学を勉強する母。
彼らがまだ幼い頃、夜泣きして、暴れ散らして、可愛いけど母は憔悴。
こっくりこっくり。

このお母さんの無我夢中の一生懸命さが温かい気持ちになる。
時折挟まれる夕日の綺麗な庭のとこの描写で視覚的にも温かくなる。

育てる母。そしてその育児は一方的には終わらない。子も自我が芽生えていく。
人として生きることに悩む雪
自然の世界に心惹かれオオカミとして生きることを考え出す雨
幼い頃は逆だったのになあ.....。雪がオオカミっぽくて雨が人間の子供っぽかった。

そうして自立していく二人の姿。
何を選択しどう生きていくのか。

これはとても大きな母の愛を強く描くと共に、子の自立する話だなあとしみじみ思いました。
「どちらでもないから悩み苦しむ」これが種族の違いとしてフォーカスされてたけど、こういうグレーゾーンの悩みって共通だよね。
雨は本当に「自分が」どうするかということばかり考えていて、自分がとった行動が周りにどういう影響を及ぼすか見えてないけど、年齢的には小学生だしこういうもんかな。

むしろ「自分がどう生きていくか」を正面切って見据えてるだけ大人ではあるけど、子供でもあるな笑

子が自立したときの母の表情、とても嬉しくなりました。笑顔、笑顔∈(*´◇`*)∋