ゆいこ

ラ・ファミリアのゆいこのレビュー・感想・評価

ラ・ファミリア(1987年製作の映画)
4.0
カルロを主人公に据えて、何世代にも渡り紡がれていく家族の繋がりが描かれた作品。
住宅の中でのショットばかりで、かつそこを出入りするのは皆親族ばかりという中で、不思議と閉塞感を感じることは無かった。
恋愛、親愛、情愛...あえて言葉にするならこんな所か。
色んな側面から見た愛の形をなぞらえた作品だったように思う。
一筋縄ではいかないが故に忘れがたく、愛は募っていくものなんだと思う。
それは恋人に対する想いだけではなく、家族同士の間のものでも。
終盤の兄弟二人のささやかなやり取りに、幼い頃から互いをよく知る存在がある事の幸せを強く感じた。
特別な事は何一つないかもしれないけれど、家族のある人なら誰しも胸を打つ瞬間が込められた作品だと思う。
歳を重ねてから、また新たな気持ちで観たい。
ゆいこ

ゆいこ