【第60回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
『特別な一日』などの名匠エットーレ・スコラ監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞では作品賞など6部門を独占した。
エットーレ・スコラ監督作品はこれが二作目。『特別な一日』は傑作だったが本作はそこまで。ある男の一代記として見応えはあるが、印象に残りにくい作品だった。
ワンシーンワンカットにこだわったスコラ監督のこだわりが感じられる一方、それが効果的かというと微妙。一応飽きることなく観ることはできるが、長く冗長な印象を受ける。
ムッソリーニに支配されるイタリアという背景がみえる描写は流石だ。中流階級に生まれた男が時代の荒波にもまれながらも家族を築いていく。いわば大河ドラマと言えるが、もう少しコンパクトにまとめて欲しかった。
いい映画ではある、のだが特別印象的なシーンも演技もあまりなく、ただ流れていくだけの人間ドラマに終始しているのが残念。