けんたろう

楊貴妃のけんたろうのレビュー・感想・評価

楊貴妃(1955年製作の映画)
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京さんがやっぱりお美しいおはなし。


あまり良い作品とは言えない。
楊一族が私服を肥やして、長安市民の反感を買う部分が十分に描かれていないため、その後の反旗を翻すシーンの説得力がないからだ。
台詞で補完しようとはしているが、それでもやはり不十分であり、話の背骨が整っていないように感じてしまう。

しかしながら、そんな事を宇宙の彼方へすっ飛ばしてしまうほど、貴妃(京マチ子)の美貌は圧倒的。
彼女が画面に現れるだけで、心臓はドキドキ。少なく見積もっても20年分の鼓動は打ったろう。

そうして訪れた結末は、悲しくも素敵なものだった。
どうやら溝口×京と云う組合せは、僕の好みらしい。『雨月物語』も早く拝見したい。