イホウジン

スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲のイホウジンのレビュー・感想・評価

3.8
壮大な叙事詩としてのスターウォーズ、ここに極まる

EP4の快活なサクセスストーリーから一転、重くはないが渋くなった。ヨーダとルークのパートはひたすらに修行だし、仕舞いにはヨーダの「冒険や友情はフォースに不要」的な発言によってEP4の自己否定さえも行われてしまう。
それでもなおスターウォーズ自体に飽きが来ないのは、今作を機にストーリーが悠久の時の中の深みにハマったからであろう。親子の因縁/因果のような描写や次回以降まで残りそうな伏線など、連作映画としての形が成立してきたように思える。そしてなにより存在感が増したのは、ベイダー率いる帝国軍だ。前作のあっけない散り方から一変、恐怖の支配者としての帝国軍が本性を露わにする(帝国軍のテーマも今作から登場)。それは度々映画内で言及された“暗黒面”を観客に向けて強調する役割も持っているし、ルーク視点で言えば己の内面に善悪の矛盾を持たせる象徴にもなっている。圧倒的な悪として、そして家族として、反乱軍とルークの前に立ちはだかる。

ルークと帝国軍のパート以外の前回並の“冒険感”が惜しい。終盤こそ名場面だが、全体的にEP4の二番煎じな感じがあった気がする。あとルークの感情をもっと知りたかった。あれだけの出来事があったのに特段変わってないように見えるのが残念。
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