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バスキアのryo0587のレビュー・感想・評価

バスキア(1996年製作の映画)
2.5
後述の通り一般的な伝記とは異なるアプローチのため意図的に印象に残りにくい映画になっていて新鮮。

有名大物俳優が多く出演していて驚き。

24歳での成功と27歳の死去。

描く時間軸の短さも相まって全体的に淡々と進んでいき唐突に終わった印象。

いつのまにか成り上がっているし人物関係もあっさりしている。
劇中でも触れられる中流階級出身ながらのダンボールハウス生活=印象操作は故意か、それとも外部戦略かと言ったアート界のマーケティングに関わるテーマ・実母や父的位置付けのウォーホルとの関係性など、通常の伝記映画ならもっと掘り下げるだろう内容もサラッと流れた感じ。

ラストの寓話の内容、挿入されるタイミングも伝記としては異色。


なんかフワッとしていて表面的だな、予備知識ない鑑賞者が本作鑑賞後にバスキアについて詳しくなれた、と言えるかというと微妙だなー。。。とここまで書いてふと、それこそが製作者側の意図ではないかと思いあたった。

彼の作品と同じように、夭折の天才であったバスキアの人生そのものもまた、掴みどころのない雲のようなものであったことを伝えるため、そんな彼の伝記である本作も全てを明らかにするのではなく各エピソードの輪郭をぼかして解釈を限定しないアプローチが取られたのではないか。

上記のように考えるのは少し製作者側の肩を持ち過ぎだろうか?

仮に上記の通りとしたらそのアプローチは成功しているし、こうしたアプローチは伝記では珍しいので勉強になった。
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