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バスキアのみのレビュー・感想・評価

バスキア(1996年製作の映画)
3.0
売れる画家ってのは、誰のために何のために絵を描いてるんだろうなあ。彼が本当のところ幸せだったか不幸せだったかは分からないけれど、うーん、わたしは、自分のために絵を描いていたい。

高校2年生のときかな。
地元大学の芸術系の教授が「みんなには自分のために絵を描いて欲しい」って言ってて、わたしはそれが嫌な言葉に思えた。
進路を決める上で、なりたい職業を探すのが当たり前だったあの頃、絵を描いていてもいいけど、描くなら世のため人のためでないといけないと思っていた。
それができて、かつそれがやりたい人はそうすればいいけど、それはつまり売れる絵を描くってことなんだよね。
売れる絵って、感情が無いというか…いや、全てがそうでは無いんだけど、凝り固まってしまうというか、世間の求める自分を作らないといけなくなる。だんだんね。
まあ、そんな境地まで達したことがないので実際のところ分からないけど。わたしはわたしのために絵が描きたい。今はその言葉の意味が分かるよ。良い絵が描きたいって、そういうことなんだと思う。
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