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バスキアのmumbleboyのレビュー・感想・評価

バスキア(1996年製作の映画)
2.9
僕はジャン=ミシェル・バスキアというアーティストが大好きで彼を題材とした映画を好きでありたいんだけど、どうしてもそうなれません。昔、大学で好きなアーティストについてレポートを書くということがあって当時学校の図書館にあった彼に関する記事を片っ端から読んだのですがそこから自分が受けた彼の印象というのがすごく天真爛漫で限りなくクリエイティブで独創的な人という感じでこの映画に出てくるバスキアとは全然違っていました。監督のジュリアン・シュナーベルは彼自身アーティストでバスキアを個人的に知っていた人なのでこの映画は彼から見たバスキアに違いないはずですが、それでもバスキアにはもっと多面性があったと思ってしまいます。それととても重要なのは映画に使われている音楽ですがこれがシュナーベルの個人的な好みをすごく反映していてストーンズやポーグズなどの白人ロックを主に採用しているのですが、バスキアはジャズ、特にチャーリー・パーカーを作品の題材とするほど好きということが有名なので何故そこをもっと強調しなかったのかが不思議でなりません。シュナーベルが好きに映画を撮るのは彼の自由なので非難しているわけではないのですがタイトルが「バスキア」じゃなくて「ジュリアンが見たバスキア」(そんなダサいタイトルじゃダメか)とかの方が正確な気がします。 いずれより本当のバスキアに近い映画が撮られる日が来るのが待ち遠しいです。
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