矢野竜子

反撥の矢野竜子のレビュー・感想・評価

反撥(1964年製作の映画)
3.6
扉や家、音等を通して
男という得体の知れない存在=恐怖を描いたホラー。
そこには常に「侵入」の気配=不安がある。
「侵入」は他人の領域を犯すということであり、
主人公にとっての領域は家ということになる。
時間経過を表すじゃがいもの芽が単純な描写ながら怖いし
本当に一瞬(数フレ)だけ鏡に映る
男の姿を捉えるシーンの主張しなさ加減も凄い。
見えるか見えないかのギリギリの瀬戸際。
一方でこのような繊細な内容を描きながらも
監督のポランスキー自身が性暴行した
という事実も忘れてはならないしそれも恐ろしい。