まるのすけ

男はつらいよ 寅次郎と殿様のまるのすけのレビュー・感想・評価

3.9
シリーズ19作目。
愛媛県伊予大洲市の旅館で寂しげな顔している一人の女性を見かけた寅さんは、彼女に鮎料理をご馳走する。女性がお礼を言いに寅さんの部屋を訪ねた際、お互い東京に住んでいることを知る。

翌日大洲城の近くで、ある老人と知り合い家に招かれる。老人は大洲の殿様の子孫・藤堂久宗だった。殿様は寅さんをいたく気に入り、早逝した次男の話をする。
次男には嫁の”まりこ”がいたが、身分違いのため結婚に反対し次男を勘当、その後亡くなってしまう。今は反省しており、顔をも知らない”まりこ”に会って謝りたい、探して貰えないかと頼む殿様。酒の勢いでつい引き受けてしまう寅さんだったが、真に受けた殿様は上京して「まだ見つからないのか?」と催促する。
とらやの人たちも巻き込んで”まりこ”を探すが、情報不足で一向に見つかる気配がない。

終わりの見えない人探しに疲れ果て逃げ出そうとしたところ、大洲で出会った女性が寅さんを訪ねて来た。彼女の名前は”まりこ(鞠子)”で、探し求めていた殿様の次男と死別した女性と分かる。見つかったとの知らせを受けた殿様は、鞠子に謝罪と感謝を伝え二人は心を通わせる。

色々あった末、鞠子と寅さんの縁談が持ち上がるも、鞠子には今の勤めに再婚を考えている人がいるとの事で撃沈する寅さん。まあ自発的な結婚話じゃないしまあいいか…。

「旅先じゃ何でもねえ親切でも心にしみるもんだからよ」
いい台詞だなー。見返りを求めない親切がサッと出来るのが寅さんの美徳だよね。女性に限らず老人(殿様)にもラムネやあんぱんを買ってあげるし。