遺伝か環境か―?
1954年に発表されたウィリアム・マーチ原作の同名小説を元に、ブロードウェイミュージカルとして上演された戯曲をジョン・リー・メーヒンが脚色し、『哀愁』や『心の旅路』のマービン・ルロイ監督が映画化。
8歳の少女が殺人を犯す衝撃の物語。
まず驚くべきは、“1950年代”というアメリカの “最も輝かしい時代”に、このような恐ろしい映画が作られたことだろう。
そもそも子供とは無知が故に残酷な一面を持ち合わせる時期が誰にでもあり、経験や教育といった“環境” によって理性や感情を身に付け成長していく論理と、ある程度の“遺伝子”が人格を形成していく論理があり、それはいつの時代も子を持つ親を悩ませ、今も変わらない。
当時のハリウッドにおけるヘイズコード(自主規制) により、差し替えられたラストも原作通りなら『オーメン』さながら不気味である。
「悪い子だね(種子)!」
カーテンコールでお尻ぺんぺんされるローダ役のマーコックを見てほっとした。
111 2021