Casablanca

悪い種子(たね)のCasablancaのレビュー・感想・評価

悪い種子(たね)(1956年製作の映画)
3.8
サイコパスの少女を必死で守ろうとする母親の物語。

50年代後半から60年代初めのアメリカ映画には、タブー視されていた社会問題を殊更ショッキングに取り上げてドラマ化する流れがあったように思う。「風の遺産」、「噂の二人」、「サイコ」、「招かれざる客」などは、どこか似た雰囲気がする。物知り顔で解説する登場人物が必ず存在するのも特徴的だ。

この映画の登場人物の中では、圧倒的に少女のパティ・マコーマックの存在感が大きいが、主役は何といってもナンシー・ケリーだ。凛とした上流階級の妻が、悩みおののき壊れてゆく様は、とても説得力があった。