一

フェイドTOブラックの一のレビュー・感想・評価

フェイドTOブラック(1980年製作の映画)
-
カフェで初めて会ったモンロー似の女に「『七年目の浮気』でモンローが観てた映画は?」と映画クイズを出題する残念シネフィルのデニス・クリストファー。もちろん映画デートはすっぽかされる。タメ息しか出ないオタク描写容赦ない。『血を吸うカメラ』みたいに欲望で充満したオタク部屋でマイ映写機の横に座ってご満悦なクリストファーの顔。あの顔を僕は知っている。映画を参照することなしには生きていけない彼は次第に自我すら映画に侵される(吸血鬼ドラキュラになりきって『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』観に行くシーンは最高にクール)。いくら知識で塗り固めても空っぽの自分は空っぽのままなのだ。心の底から、R.I.P.エリック・ビンフォード。『カサブランカ』好きのバカ役でミッキー・ロークがちょい出ている。
一