いま勉強しても意味がない? 卒業してもギャングになるしかない? あるいはその前に退学? ーーいいえ、私たちは変われる。
新米教師エリンと読解レベル小学校高学年どまりの高校一年生たち。街は常にギャング同士の「戦争」が起きている治安の悪い地域。
教室も東洋、黒人、白人、ラテン系できっちり分断。
ラインゲームのあたりからずーーっと涙をこらえながら観ていた…。
新任当時はオデュッセイアを授業に選んだり、生徒も施設よりはマシだからって理由で高校に通学しているだけ。
差別発言をホロコーストにかけて説明しても、彼らはホロコースト自体を知らない。
他の先生たちは彼らを疎ましく思っているし、どうせ高学年まで残っていないと思ってる。
エリンは生徒同士に共通点があると気づかせたり、本と一冊のノートをプレゼントしたりする。なんでも書いていいそのノートに彼らは父親の逮捕、殺された友人、彼氏からのDV、様々なことを書き、心を開いていく。
生徒たちの表情がいい。新品の本をもらったとき(新品のものをもらうなんて、たぶんなかった)、死んだ友達の名前を挙げてるとき、証言台。
ホロコーストを知らなかった生徒たちが博物館の見学をして、アンネの日記を読み、アンネをかくまったヒースさんを高校に招待する(!!)ために、あらゆる募金活動を行う。
生徒たちは進級して、「教室を家」として連帯、ラテン系、アジア系を越えて仲良くなっていく。学力も伸びる。類書を図書館で読んだり(貸出カードを使って借りてほしいけど…きっとその後オリエンテーションをしてくれたでしょう)。
周囲のベテラン教師たちに反対されるところは、普通の話なら悪役に作りすぎかなと思うけど、生徒たちを下に見る発言があったので致し方ないのかも…。
貧困や過酷な環境から抜け出す方法は教育しかない。でも勉強だって環境が整ってなきゃ無理。
生徒たちが大学や短大に進学できて、最後に写真が映るところも感動。
ほとんどの生徒役がこれしかないのは、素人の子が多いのかな? と思ったらひとりギャングに銃殺されていた。悲しい…。