ノットステア

007/カジノ・ロワイヤルのノットステアのレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(1967年製作の映画)
2.5
○アマプラ紹介文
このパロディーでは、同盟のスパイ部隊の長はスメルシの力を戦うために退職から出卿ジェームズ・ボンドを呼び出します。



○感想
※アマプラ紹介文の日本語が変だけど、このとおり書いてた。アマプラでの配信が終るタイミングで観た。

1967年に作られたパロディ。
これはあっかーん。カッコよくない。ショーン・コネリー版007とかは、ダニエル・クレイグ版と比べるとスピーディーなアクションではないけど、それでもカッコよかった。なのに今作はなんなんだ。。。
本家という設定のジェームズ・ボンド(デヴィッド・ニーヴン)も全然活躍しない。影武者ボンド(ピーター・セラーズ)がバカラ(トランプゲーム)をやる。何から何までカッコよさがない。原作を馬鹿にしたような作品。現実離れしたスパイ映画をからかうために作ったのか?

美女にというか女が苦手な本家ボンドと女好きだらけの替え玉ボンド。
コメディ。大半スベってるコメディ。

良かったのは音楽。明るくてコメディ感満載だけど耳に残るメロディだった。シリアスなメロディが全然ない。アクションシーンだって軽いノリ。
とはいえやっぱりジェームズ・ボンドのテーマが流れないと007って感じがしない。やっぱあの007の定番曲は最高だ。

マタ・ハリってなんだっけ、聞いたことある名だと思ったら、第一次世界大戦時のスパイの名前か。『キングスマン∶ファースト・エージェント」』でも出てたスパイ。まさかボンドが唯一愛した元妻だなんて。ヴェスパーじゃないのかよ、、、

マティスとかМとかルシッフルとかQとかマニーペニーとかヴェスパー・リンドとか出てくるけど全然顔を覚えることができなかった。
ヴェスパーとしてウルスラ・アンドレス(『ドクター・ノオ』のボンドガールを演じた人)が出ているのにも気づかなかった。
ウディ・アレンに関しては名前は知っていたけど顔は知らなかった。この人がウディ・アレンか〜。

スメルシってのはスメルシュと同じかな?ドクター・ノオじゃなくてドクター・ノア。マネーペニーもマニーペニー。これらは日本語字幕の問題なのかそれとも監督らの意向でちょっとだけ変えてるのか。

以下、ネタバレあり。007シリーズのネタバレもあるかも。














なかなか難しい。Мが冒頭で死ぬ。死ぬ描写はないし、誰が死んだかを本名で言うから誰が死んだのかわからなかった。Мのことだとはわからんかった。
展開が早いというか急だった。敵のもとへ行ったかと思いきや、画面が切り替わると捕まってるし。無駄を省くのは好きだけど驚いた。

ブロフェルドは出てこない。でもちゃんとパロディ。『007は二度死ぬ』でブロフェルドの影武者が大量にいたように、ジェームズ・ボンドが大量発生。女性も含め全員ジェームズ・ボンド、007となのることになる。紛らわしいけど、その狙いは敵をとまどわせること。ラストにはこの映画における本家ジェームズ・ボンドと同じ顔の男が出てくる。ブロフェルドかよ!って思った。
今作『カジノ・ロワイヤル』と『007は二度死ぬ』どちらが先に作られたんだろ。どちらも1967年らしいんだけど。影武者設定が似たのはたまたま?
ちなみに、007の映画はそれまでに
1954年『カジノ・ロワイヤル』
1962年『ドクター・ノオ』
1963年『ロシアより愛をこめて/007危機一発』
1964年『007/ゴールドフィンガー』
1965年『007/サンダーボール作戦 』
が作られていた。

007シリーズの原作小説を日本に初めて紹介したのは都筑道夫らしい。007シリーズを日本を舞台にして都筑道夫が再現した作品が1962年出版の『飢えた遺産』文庫化した際に『なめくじに聞いてみろ』というタイトルに変更される。それを岡本喜八が1967年に映画化したものが『殺人狂時代』。
まだ『殺人狂時代』を観たことはないが、『なめくじに聞いてみろ』は読んだ。正直、あんまりおもしろくなかった。
今作『カジノ・ロワイヤル』の前半、女性諜報員たちに襲われる展開が『なめくじに聞いてみろ』に似ていた。次から次へと殺し屋がやって来る感じ。『殺人狂時代』観てみようかな~。



○あらすじ
特別警察のマティスがジェームズ・ボンドに声をかける。(※なんのためのシーンかわからない。その後マティスが登場することもない。)

オープニングテーマ。

最盛期に引退し広い屋敷に住む老紳士ジェームズ・ボンド卿(007)のもとに、MI6のMと、CIAの幹部、KGBの幹部、フランス軍情報部の幹部が来る。各国の情報部員が謎の組織に消されている。問題解決のためにボンドに復帰を要請する。ボンドは断る。最盛期にボンドが引退したのは唯一の恋人でスパイだったマタ・ハリのため。任務のためマタ・ハリをフランスで死なせてしまった。
ボンドが断ったため、Mの合図で屋敷が砲弾によって爆破される。その際、Mが死亡。

ボンドはMの夫人のところへ弔問に訪れる。Mの屋敷で出迎えたのは、夫人になりすましたスメルシの工作員ミミ。ボンドの弱点は女らしい。女が苦手なボンド。
ミミは国際家政婦協会(=スメルシ)の首領の命令でボンドの名声をくじくことを命じられている。
ミミはボンドの魅力に惹かれる。ボンドに協力する。
ボンドに発信機が仕掛けられ、そこに向かってラジコン鳥のような爆弾が飛んでくる。ボンドは銃で撃ち爆破させるがきりがない。サスペンダーを外し、ミミにパチンコの要領で発信機を飛ばさせる。ラジコン鳥のような爆弾が出てくるところに発信機を当てる。爆発。
ミミは修道院へ。

無人牛乳販売車に追われる。カーチェイス。見事敵を爆破に巻込ませる。

ロンドン。ボンドはMに替わって情報部のトップに就く。犠牲になった情報部員たちはみんな、色仕掛けに負けていたことが明らかになる。
ボンド「諜報員が女好きとは嘆かわしい」

ジェームズ・ボンドには甥がいる。名前はジミー・ボンド(ウディ・アレン)。ジミー・ボンドはポンコツ。
ジミー・ボンドは処刑されることになる。
ジミー・ボンド「撃たないで。僕ら些細なことですぐ死ぬんだ。医者に弾丸を受けてはいかんと言われてる。それに…妊娠してる。最後のタバコを吸いたい。もう禁煙する」
ジミーは逃げる。
逃げた先が銃による処刑場。逃げる。

ボンドは敵を混乱させるために、情報部員全員にジェームズ・ボンド(007)と名乗らせる。
ジェームズ・ボンド「今後は女性も含め全員ジェームズ・ボンド 007だ」
「紛らわしい」
ジェームズ・ボンド「その通り。敵もとまどう。君もボンドだ」
男性情報部員は女性からの誘惑に耐える訓練。

Q登場。テレビ・ラジオ付腕時計。

ボンド(デヴィッド・ニーヴン)は国際家政婦協会に信頼できる者をスパイとして送り込むことにする。それはボンド(デヴィッド・ニーヴン)とマタ・ハリとの間に生まれた娘マタ・ボンド。マタ・ボンドは父の顔を知らなかったが、再会を喜ぶ。父の命を受け、マタ・ハリも学んだスパイ学校に潜入。

スメルシ幹部のルシッフルは組織(スメルシ)の資金を賭博につぎ込んでいる。使ってしまった組織の金を穴埋めするため、ルシッフルは秘密フィルムを各国の情報機関に売りさばくオークションを開く。マタ・ボンドは妨害成功。

ルシッフルは、カジノ・ロワイヤルでイカサマ・ギャンブルをして金を稼ごうとする。トランプが透けて見えるサングラスを着けている。
ボンド(デヴィッド・ニーヴン)はヴェスパー(ウルスラ・アンドレス)を通じてバカラの名手イブリン・トレンブル(ピーター・セラーズ)をスカウトし、ジェームズ・ボンドと名乗らせる。

カジノ・ロワイヤルに着くと、ボンド(ピーター・セラーズ)はスメルシの工作員ミス・太ももに誘惑される。睡眠薬を酒に入れられるが、解毒薬を酒に入れて飲む。しかし、眠ってしまう。ボンド(ピーター・セラーズ)はヴェスパーに起こされる。ミス・太もももヴェスパーが倒したらしい。

ヴェスパーはルシッフルから透視サングラスを盗む。
バカラでボンド(ピーター・セラーズ)とルシッフルの一騎打ち。ボンド(ピーター・セラーズ)の勝利。

カジノを出たヴェスパーが誘拐される。追いかけようとしたボンド(ピーター・セラーズ)も次のシーンで捕まってる。
ボンド(ピーター・セラーズ)は穴の空いた椅子に座らされる。固定されていないから立ち上がれる。精神的な拷問にかけられる。肉体にはダメージなし。ヴェスパーが救出。ルシッフルはスメルシの刺客によって射殺される。

マタ・ボンドがUFOに連れ去られる。修道院に行ったミミがボンド(デヴィッド・ニーヴン)に連絡する。ボンド(デヴィッド・ニーヴン)はマニーペニーと共にカジノ・ロワイヤルに行く。その地下にスメルシの本部がある。

敵のトップドクター・ノアが姿を表す。その正体はジミー・ボンド。
ドクター・ノアの細菌は伝染力が強烈。空中に散布すると全女性は美人に身長140センチ以上の男は死ぬ。それが目的。
ボンド(デヴィッド・ニーヴン)らは捕まる。

ジミー・ボンドは裸の女性を拘束し、パートナーになるよう説得。ジミー・ボンドは見かけも味もアスピリンと同じ小型原子爆弾が400個含まれている錠剤を持っている。拘束されている女性はパートナーになることを同意する。拘束器具が外され、服を着るまで後ろを向くようジミー・ボンドに言う。その隙に女性は錠剤を取り、ジミー・ボンドの飲み物に入れる。その直後、ジミー・ボンドは飲む。
歩く原子爆弾誕生。

ボンド(デヴィッド・ニーヴン)たちは脱出。
ヴェスパー・リンドは二重スパイ。ボンド(デヴィッド・ニーヴン)らに銃を向ける。
そこに駆けつけた騎兵隊。笑気ガスでみんな笑いながら乱闘。
そこに駆けつけた第二部隊。
そこに駆けつけたフランス軍。
ジミー・ボンドはしゃっくりが止まらない。しゃっくり一回が小型爆弾の爆弾の爆発。
最後のしゃっくり。大爆発。

みんな天国。ジミー・ボンドだけ地獄に墜ちる。