てる

JAWS/ジョーズのてるのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
4.0

あまりにも有名なこの作品。タイトルとBGMは作品を観ていない人でも、誰もが知っていることだろう。
小学生のときにロードショーで観ていると思う。というのも、全く内容は覚えていなかった。だけど、最後のジョーズの倒し方だけは覚えていた。
そんな曖昧な記憶だったので、『いつかは観なくてはいけないリスト』に含まれていたのだが、Netflixで観れることになったので、漸く、リストを減らすことが出来たのであった。

面白かった。素直に面白かった。さすがスピルバーグ。エンターテインメントの帝王だ。
ビキニ美女のお色気と控えめなグロテスク。
私はグロテスクな作品が苦手なのだけど、この作品は全然楽しめた。というのも、直接的なグロテスクなカットを出さないからだ。
襲われたカットの次のカットは赤くなる水面の俯瞰の画だとか、海草まみれの身体の一部分だとか、それを見ればどんな惨状があったのか用意に想像ができるように工夫されている。
子どもには刺激が強いのは間違いないが、子どもでも観れるような画を撮っているように感じた。

陸の『ジュラシック・パーク』と海の『ジョーズ』やはり対比させるならばこの2つであろう。
どちらも動物の脅威と闘う話しだし、どちらもエンターテインメントに富んでいる。甲乙つけがたいが、楽しめるのは『ジュラシック・パーク』で、本当に怖いのは『ジョーズ』の方だと思う。
『ジュラシック・パーク』は動物園の体だし、恐竜という誰もが夢見る存在があるけども、『ジョーズ』は紛れもなく災害だ。
それは音楽の使い方からも感じられる。『ジョーズ』の誰もが聞いたことのあるあの曲は恐怖を煽るものだもんね。

しかし、巨大サメを退治するという話しだけで、よくもまぁこんなに面白くできたもんだ。最後は割りと呆気なかったけど、それまでの過程であの手この手とよくあるものだ。
撮り方も上手い。水中の中の撮影とかどうやっていたのかしら。臨場感あるし、怖かったよね。
ジョーズの作り物もきっと何種類も用意されていたんだろうなぁ。すごいこだわりを感じた。
もし、CGで作っていたらこのような臨場感は感じられなかったんだろうなぁ。やっぱり特撮って必要なんだね。

なんだか、色々なものが丁度いい塩梅だった。これ以上グロすぎても面白くないし、お色気を入れすぎたら覚めてしまう。尺もこれ以上長いと飽きてしまうし、短いと物足りなくなってしまう。
いわゆるパニックムービーのはしりであるけども、この作品をB級作品と嘲る者はいないだろう。
何が違うのかなぁ。もちろん予算とか諸々理由はあると思う。だけど、同じ予算を注ぎ込んでもこうはなるまい。スピルバーグって天才なんだなぁ。
てる

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