これは観ておかないと!案件だったけど、上映時間見ると124分と意外と長い!動物パニック映画なのに!?と思って先延ばしになっていたもの。満を持して鑑賞。
鑑賞して分かった。そりゃ長いのもそのはず。
これ、単なる動物パニック映画じゃねぇ。結構重厚なドラマ作品やんけ。
(言うなればサメが襲ってくるだけの映画をこんな仕立てにするなんて、さすがスピルバーグ御大)
色んなプレーヤーが出て来るんだけれど、パニック映画では当たり前の「単なる機能としてのキャラクター配置」が全然行われてなくて、ちゃんとそれぞれが、思惑や葛藤を抱えた生身の人間として描写されている。。
そしてそれぞれが、ジョーズとの関わり(変な言い回し笑)を通じて、思惑をぶつけあったり、葛藤を乗り越えたり(死んだり笑)しながら相互作用する様が描かれていて、ここがまさに本作を人間ドラマたらしめている要因だと思われ。
それでいてかたや、動物パニック映画としての演出もすげぇ、というのが天晴れなところよな。
中盤まで全くサメの姿を見せずに、それでいてこの恐怖感を演出するその力量よ。サメと思ったら違った、みたいなスカし演出も巧妙で、そりゃスピルバーグ、「映画ウマ男」と呼ばれますわな。
ということで、歴史的名作という視点だけではなく、純粋に一本の映画作品として同時代的目線で観ても十二分に面白かったです。