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ローズ家の戦争のHKのレビュー・感想・評価

ローズ家の戦争(1989年製作の映画)
4.2
中学生の頃に、金もないのに気に入って2度も劇場に足を運んだ思い入れの強い作品。あの頃はウェルズやヒッチコックを感じさせるキャメラアングルに興奮していたものだが、40になった今、思うのは、これは筈見有弘さんが書いていたことだけど、原作者も脚本家も監督もみんな男であり、努めてフェアを保っているとはいえこれが紛れもなく男性側の視点で描かれた夫婦映画だということ。喧嘩して妻は新しい人生を歩もうとするが、夫の方は君といつまでも。そしてそれが悲劇を生むという展開はなかなか身に沁む。デヴィートの監督デビュー作『鬼ママを殺せ』(87)に共通する部分あると思うが、デヴィートがダグラスから脚本を渡されたのはそれよりも前のことだという。ダグラスはこれが作られたのが80年代最後の年であることが重要だと語り、製作者としてさすがの感覚だが、本作は彼が製作を兼ねず出演した初めての作品でもある。
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