半兵衛

法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件の半兵衛のレビュー・感想・評価

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DVDのパッケージからホラー映画かと予想したら鑑賞したら実在の事件を基にした真っ当な社会派映画だったのに戸惑ってしまったし、事前に事件に関する情報を仕入れなかったため主人公をはじめとする登場人物や所属する組織が何や何やら今一つ把握できず面白さが伝わってこなかったのが残念。

それでもイタリアとバチカンの関係性や、イタリアでは大司教と銀行のトップが密接な関係があって資金を融通したりするなど興味深いエピソードが随所に登場してきて最後まで飽きなかった。そしてイタリアなのでマフィアが随所で登場して、最後には主人公の結末と結び付く。

ちなみに映画のモデルとなった事件は『ゴッドファーザー PARTⅢ』でも取り上げられており、これに怒った関係者の圧力によりアカデミー賞にノミネートされながら賞を獲得できなかったという噂があるだけによくイタリアで映画化できたなと感心してしまうが国内の情勢に変化でも起きたのだろうか。

いかにもやり手の聖職者というオーラを醸し出すルトガー・ハウアーの好演も見所、そして吹替え版では中田譲治(声優としてのイメージが強いけれど、個人的には『ライブマン』のビアスのインパクトが強い)が彼の声を担当しており不遜な演技によく合っていた。
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