このレビューはネタバレを含みます
自宅で。
2008年のアメリカの作品。
監督は「オーロラの彼方へ」のグレゴリー・ホブリット。
あらすじ
「killwithme.com」というサイトで殺人実況中継を行う犯人とそれを食い止めようとするFBIサイバー捜査官の戦いを描く。
U-NEXTにて、2度目。
「ホワイト・ボイス」という作品を観たので、次はこの「ブラックサイト」を鑑賞。
お話はあらすじの通り、設定はインターネットの殺人実況サイトなんだけど、個人的な感慨としては「ボーン・コレクター」に「SAW」を足して2で割った感じ。
要はサイトのviewer数でタイムリミットが進み、被害者はやがて死に至るというところがミソなんだけど、多分こういうネットを題材にした映画でよくある「匿名多数が犯罪に加担する」ことに対する警鐘みたいなメッセージ性を強く押し出した作風が魅力。
また、この犯人が結構酷いやり口で冒頭からなんの罪もないネコちゃんを実験台にすることを皮切りに、閲覧数でライトの熱量を上げて丸焦げにしたり、身動きが取れない状態で水に浸かった被害者の水中に同じく閲覧数に乗じて硫酸を流し込んだり…めちゃくちゃ鬼畜だなー。
ちなみに、硫酸の被害に遭うのはあの名優トム・ハンクスの息子さん、コリン・ハンクス(「イーグルス・オブ・デス・メタル:パリの友に捧ぐ」)。声音もそっくりで2世俳優さんに酷いことするなー、最終的にベロベロになって骨まで見えちゃって悪趣味極まりない。
で、犯人自体はミステリー要素はそんなになく、中盤あたりであっさりわかっちゃうんだけど(X-MENのアイスマン)、多分そこがポイントではなく、その犯人が大多数の好奇の目に晒された結果…という点もなんというか非常に現代的。
ネット中継という点もライブ配信がそこかしこで行われる今のネット社会においては、最も簡単に関与できてしまうわけで他人事ではない。
ラスト、主人公のジェニファー(ダイアン・レイン「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」)がネットユーザーに向けて、印籠の如く「FBI」のバッチを掲げるカタルシスとそれに伴いあれだけグングンview数が上がっていたレスがどんどん鈍重になるラスト…うーん、やはり匿名性というもの、人の悪意のある好奇心って怖い。