爆裂BOX

ブラックサイトの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ブラックサイト(2008年製作の映画)
3.5
FBIサイバー捜査官のジェニファーが捜査する闇サイトは、捕らえられた被害者が人々のアクセス数によって死に至らしめられる殺人ライブ中継サイトだった。事件を追うジェニファーにも魔の手が迫る…というストーリー。
ダイアン・レイン主演のネットの殺人中継サイトを題材にしたサスペンススリラーです。
FBIのサイバー捜査官としてネット上のあらゆる犯罪を取り締まるジェニファーにある日、「killwithme.com」という不審なサイトの情報が入り、そこでは子猫が一週間かけて衰弱死させられる様子が中継されていた。更に主催者が突き止められない様巧みに操作されており、更に次は拘束された男性の映像が配信され、アクセス数が伸びるたびに投与される薬物の量が増える仕掛けがされていたという内容です。
好奇心や怖いもの見たさ、画面を通して「所詮は他人事」ととらえる人間の心理を巧みに利用してアクセス数が増えるごとに被害者が死に近づく殺人中継サイトという設定が面白いですね。実際グロ映像専門サイトとか今もあって興味本位に覗いたりもするし、一回だけアクセスする人は多そう。
拷問にかけられて殺されていく被害者達の描写は薄めの「SAW」といった感じで皮膚に傷つけられて血が止まらなくなる薬剤投与されて出血死したり、高熱ライトで焼死させられたりとギミックを用いた殺し方で殺されていきます。高熱ライトで照らされて全身に火ぶくれが出来たり、水槽に硫酸入れられて溶けた体などハリウッド映画としては割とグロいと思います。
無差別殺快楽殺人と思わせて…という展開も面白いです。逆恨みに近いけど、これも人の死がネットで公開されて大多数の人々の関心を集めるという今回の事態に密接にかかわっている所も良いですね。
犯人が中盤でアッサリ顔出しますが、もうちょっと引っ張って視聴者に推理させても良かったかなとも思います。
主演のダイアン・レインは流石に老けたけど、中々の好演だったと思います。ただ、優秀なサイバー捜査官のはずだけど車ハッキングされたり犯人には一枚上をいかれてたな。後、私生活のシーンも結構出てきますが、サイバー捜査官にしてはもうちょっと気を付けろよ!と言いたく成るシーンもちょこちょこ出てきますね。一緒に暮らしている娘と母親がもっと危機に曝されるかと思ったけどそんな事もなかったな。
ビリー・バーク演じる共に捜査するボックス刑事との関係性もイマイチ中途半端に終わった気がしますね。恋愛関係っぽい匂わせはあったけど。「クローザー」のストロー役等悪役多いので犯人か犯人の共犯かと疑ってしまいました(笑)
同僚役のコリン・ハンクスもキャラ立ってるようであまり印象に残らなかったかな。最後は強烈だったけど。
ラストはハリウッド映画お決まりの肉弾戦になりましたね。もうちょっと捜査で追い詰めていってほしかったけど。最後アッサリ終わりすぎてビックリしました。
劇中で出てくるチャットのコメント度々アップになるけど字幕つかなかったのは残念ですね。
ネット社会の闇をテーマにしたサスペンススリラーとしては現実にありえそうな設定でもあって中々楽しめました。