JohnConstantine

ザ・ライト -エクソシストの真実-のJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

近年のエクソシスト物ではかなり名作でしょう。
現在上映中の「ヴァチカンのエクソシスト」がどの程度のものか未見なので分かりませんが。


主人公の青年は家業が代々葬儀屋か神職で、成り行きで神学校に行くものの基本的には信仰のない無神論者。
しかしながら家業ゆえかはたまたDNAか、才能はあるようで、ヴァチカンのエクソシスト養成講座にまで行きます。
近年ヴァチカンはエクソシスト不足に悩まされており、カトリックに限定することなく養成講座の受講生を受け入れているとのことで、そのあたりは本作も実情を踏まえているような空気感があります。

それなりに怖いシーンはあるとは言えホラー映画ファンが好むような要素は少ないかもしれません。
私はキリスト教芸術や文化、そして聖品マニアなのでヴァチカン養成講座も含めて随所に見られるそうした要素は非常に満足でした。

また本作の敵対する悪魔はバアルですが、元々はカナン人の神で聖書にも登場します。
異教徒の神を邪神・悪魔とする考えは旧約聖書の時代からあり、4世紀に修道士エヴァグリオス・ポンティコスが発案したものをその後教皇グレゴリウスⅠ世が7つの大罪(主要な悪徳)とし、それらが16世紀になり悪魔学者によって悪魔と合致させられました。そうした背景はファンタジーにも多く用いられています。

ドラマ「エクソシスト」を見ると、悪魔そのものよりも自分の内的な弱さとの戦いの描写が強いですが、本作でも主人公が信仰を持てるかどうかという部分ではそうした葛藤=内面での戦いが描かれており、まさにエクソシスト映画であると感じました。
近年のエクソシスト不足が深刻とのことであれば、もっともっとこうした良質なエクソシスト映画を作って欲しいものです。
JohnConstantine

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