バンバンビガロ

風が吹くときのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
2.9
核戦争の恐怖を描くイギリスのアニメーション映画。
温かみのある優しい画風のキャラクターの牧歌的な雰囲気を残した会話劇が核攻撃の影響で徐々に蝕まれていく様子は独自のギャップを生み出していている。
核戦争を主題としながらも徹底して外部が描かれず、夫婦が暮らす家の中で物語が完結しているのがこの映画の重要な点で、核の恐怖も家財の損壊と夫婦の衰弱を通じて間接的に描かれるのみである。
戦争の詳細や他の場所がどうなっているかをあえて見せないことで、核の問題を善良な夫婦に降りかかる悲劇という一点に物語を集約させて話の重みを増していると思う。
作中で主人公が核攻撃から身を守るためのシェルターとして家のドアを外して壁に立て掛けていて、ちょっと馬鹿みたいに見えるのだけど『SF核戦争後の未来・スレッズ』という映画でも同じようなシェルターが出てきていたので当時のイギリスでは結構真剣に検討されていたのかもしれない。
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