アキラナウェイ

2 days トゥー・デイズのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

2 days トゥー・デイズ(1996年製作の映画)
3.2
ロサンゼルスを舞台にして起きた殺人事件。それに関わる殺し屋、刑事、被害者達の2日間を描いた群像劇。

ダニー・アイエロ
ジェームズ・スペイダー
ジェフ・ダニエルズ
エリック・ストルツ
そして…
本作が本格映画デビューとなるシャリーズ・セロン。

キャストも味のある面々が揃っている事だし、群像劇好きとしては観ておかなくては!と鑑賞。

L.A.のサン・フェルナンド・ヴァレー。冷酷無比な殺し屋リー(ジェームズ・スペイダー)とピザ屋の店員に落ちぶれていた元殺し屋のダズモ(ダニー・アイエロ)は、オリンピック万年4位のスキー選手ベッキー宅で、彼女を尋ねてきた前夫ロイを殺す。この殺人事件を機に10人の男女の運命が交錯し始める—— 。

ジェームズ・スペイダー演じる殺し屋のリーは、やたらと1分に拘る完璧主義。拳銃を突き付けるながらもストップウォッチで1分間測って、命乞いの時間を与えるのが特徴。

ダニー・アイエロ演じるダズモは実はハゲているのがコンプレックス。ズラが何度も落ちる度に笑ってしまう。

仕事にも私生活にも問題を抱えた刑事役にジェフ・ダニエルズ。管轄外の事件に首を突っ込みたがる刑事役にエリック・ストルツ。BTTFは元々彼が主役だったのは有名な話だけど、やっぱりマイケル・J・フォックスと似ている。

そして、細眉が時代を感じさせるシャリ姐である。大胆なヌードも披露し、存在感はバッチリ。妖艶なフェロモンはこの頃からプンプン醸し出しているけど、不思議と年齢を重ねた今の方が遥かに魅力的。

序盤は無関係なキャラクター達が絶妙に絡み合っていくのが群像劇の醍醐味で、本作も勿論絡み合って終幕に向かっていくけど、些かパンチは弱め。ジェフ・ダニエルズなんかは絡み合わずに終わっているしなぁ。

リーとダズモがロイを殺す動機が弱く、ありがちな保険金目当てというグリップの甘さ。ベッキーがスキー選手である必要性も感じられない。

単純に脚本が弱く、それぞれのドラマが大きな纏まりへと集約される事はないものの、落ち目の映画監督が自殺を取り止めたり、ダズモととある女性のロマンスが微笑ましく描かれたりと細やかな幸せが描かれている点には好感が持てる。