たわし

パルプ・フィクションのたわしのネタバレレビュー・内容・結末

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初めて観た時は何が何だかわからなかった。だが繰り返し見ていくうちに、この映画は何かメッセージを伝えようとしているのではなく、登場人物同士の会話やクールな画面、そこに合わさる音楽を楽しんでもらおうとしているのかなと思った。見ていて疑問に思うことに答えないところからもその姿勢を窺い知ることができる(2人がボスに届けようとしているケースの中身が一度も映されないところや、ブッチの行方がわからないところなど)。普通ならミアのオーバードーズの一件がマーセルスにバレて一悶着とかありそうだけどそんなことも起こらない。いわば、ストーリーは器でその中に会話劇などのメインディッシュが盛り付けられているような感じだ。先ほどこの作品にはメッセージはないと言ったが、自分がこの作品から受け取ったメッセージは無駄なものこそ大事であるというものだ。一般的な作品は、ストーリーが主軸でそこに印象的なシーンや音楽が付随されている。しかしこの映画はその付随要素が映画を盛り立てている。人生を彩るのは仕事や勉強よりも何気ない余暇の時間なのかもしれないと思った。まあ自分の頭が悪くてこの作品の本質を見抜けていない可能性は大いにあるけど。
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