Ginny

パルプ・フィクションのGinnyのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.3
タランティーノ生誕祭記念ということで1週間限定再上映の期間に劇場に足を運びました。

めちゃ面白かった、何これ。
1994年の映画でもいまでも全然通用する気がする。
脚本のどこが面白かったか、自分が思うには要素に頼らない、展開の仕方、運び方、魅せ方が素晴らしいのかなと思いました。
会話や背景がその瞬間だけでなく、その後も生きている。多分に語っているからあえてフィーチャーしなくても見ていて気付くことができ、面白いと思える。映画の映像展開で人がどう感じてどう見ていてどう仕掛けたら人が驚いて意外に感じて楽しめるのかというのが計算されつくして構築されているように思えた。脚本の妙。

今ハマってる哲学、二項対立からの脱構築を勝手に感じました。
フラグがビンビンに立ちまくるけれど、こちらの想像とは違う展開が起き、しかもそれがめちゃめちゃ面白い。よくある展開?に行かないけど荒唐無稽過ぎて鑑賞者を置いていかない、絶妙な狙いで面白さを獲得する、しかも全パートでって、天才?

The Gold Watchが一番好きかも。
ユマサーマン美しい。輝いている瞬間が残せるのが映画の素敵なところだなとしみじみ思う。サミュエルLジャクソン、メイスウィンドゥで初めて知ったので、アカデミー賞授賞式のプレゼンターでのテンションを見てびっくりしたことあるけれど、本作の演技が板についてて圧倒されてこんな一面(メイスウィンドゥよりこっちが先)あるんだ〜と魅力をひしひしと感じました。
しれっと面白いことが浮かない様に各俳優陣の演技力が発揮されていて安っぽくならないところが凄い。
唯一、ハニーバニーが取り乱す様子が嫌過ぎた。

フレンチディスパッチもこういう風に作りたかったのかな?とふと思った。
そう考えると、ウェスアンダーソンは、構図やデザインとか美的センスは抜群ですが脚本力はそこまでなのか?と思えてしまった。
Ginny

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