佐藤淳

パルプ・フィクションの佐藤淳のネタバレレビュー・内容・結末

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


掴みどころのない抽象的な関係に何時も付き纏はられ、いよいよ現象からも遠ざかつてゆく。

欲は感情を揺さぶられるが其迄である。満たせられればあとには愁ひ不安共共何も残らず。満たせられねば後には呪ひが残るやも知れぬ。
呪はれたものも又真実からは遠退くだらう。

心悪しき者には行為に於けるためらひが欠けてゐる。だから厄介なのであり又怖いものなのであらう。

心弱き者は行為に於ける思慮と覚悟を欠いてゐる。故に小さき弱きと軽んぜられ又無意味無価値と罵られるのであらう。

虚構の中で有りもせぬ妄想に縋り付き、又妄想に甚振られ空しく自分を対抗させ到頭饒舌に終る。

ノンフィクションでありながら、柔らか過ぎて役に立たず、湿り過ぎて燃えず、其等はパルプ・フィクションと言はれるかも知れない。
佐藤淳

佐藤淳