ゆずっきーに

パルプ・フィクションのゆずっきーにのネタバレレビュー・内容・結末

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

いやあ!面白いンゴねえ!
冒頭の会話劇からタイトルコールまでの掴みで既にテンションMAXに達する。

時系列を狂わせる脚本の構成は後世に多大な影響を与えたとされる。脚本賞を獲っていることから見ても練り込まれたものなのだろうな。表層のしょうもない会話を追いかけても滑らかに楽しめる作品だが、信念を持ち合わせる者が生き残り、その上暴力を手放したサミュエルLジャクソンがこの作品における理想型として物語を締めると考えると美しく緻密に組み立てられた脚本でもある。
それぞれの引っ提げるフィクションが薄っぺらいロサンゼルスの街で交錯し、酒と女と音楽は敗北し、糞便にまみれた指輪と敬虔な教徒が勝利する。羊飼いとは誰のことなのかを考えるのも楽しい。

個人的に最も目を惹いた点は、誤解を恐れずに言えば作中女性の心底終わってる扱いの数々。酒+ヤクのやりすぎで死にかけている節操の無さ、男に急かされてもウダウダ文句垂れてばかりの無能、銃を持たされれば即パニックになる鈍臭え落ち着きの無さ。
戯画化された自分自身(のような類の人間)を見せつけられてるような気分にもなってくるからもうほんとダメ。その術は俺に効く。…タランティーノの意図や如何程に。

イカした映画として存分に楽しめた。また観たい。
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