花熊

パルプ・フィクションの花熊のネタバレレビュー・内容・結末

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

超有名な作品だけど、初見かつど素人なのでオムニバス形式なの知らなかった。

しかしまあ、この映画で登場人物たちに「あるある」と共感することになるとは思わなかった。非日常(一般人目線)なアウトローの世界を舞台にしていてるんだけど、結構普遍的なことを登場人物に言わせたりやらせている。そこが人によっては退屈に感じさせるかもしれない。私には寧ろそこが良かった。
ブッチの彼女が金時計を家に忘れて、ブッチがキレるところは特に共感して笑ってしまった。自分にも非があって相手だけを責めるわけにもいかないのは頭では理解してるんだけど、相手に腹がたってしょうがないってことあるよね…。

そして脚本がうまい。台詞のテンポが素晴らしいことや、伏線のはりかたもそうなんだけどモチーフの使い方も上手い。構成うまいなぁ〜と思ったところは色々あるけど、何気にブッチの父系の歴史と、日米関係が金時計を介して交わってるのが一日本生まれとして興味深かった。ブッチのお爺さんはWW2で日本軍と交戦し亡くなってるのだが、その前に金時計を人に託している。ブッチは金時計をとりに彼女のホンダを使い、レイプされているマーセルスを日本刀で助けた(?)ことで命拾いし、無事に金時計と逃げおおせることに成功する。

ユマ・サーマンの演技良かった。死にかけた後、満身創痍のミアがつまらないジョークを言ってるところが特に好きだった。それまでは「いかにもフィクション的な」ファムファタールの雰囲気を醸し出してたのに、生死を彷徨ったあとは普通の人間臭さが出てた。
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