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パルプ・フィクションのfilmoutのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.1
10年ごとに再鑑賞している気がする。
初見とも2回目とも違う印象の残り方。

構成の独特さは今でも新鮮に思えるが(基本毎回忘れるので)、こんなにハードボイルドな照明だったっけ。まあまあ適当に撮っていた印象だったけどシーケンスによってかなりメリハリがあった。
特にミアがブッ倒れてからは視点をブンブン振り回し、さながら深作欣二のようだった。
タランティーノの画角は年を追うごとに広がっていくような印象があるが、この頃の小ぢんまりとした眼の前の問題に直面している感覚の映像も良い。
どのシーケンスでもそこで主となる人物が何らかの重大な決断を何度も迫られておりその度に緊張が張り詰めるのだが、そのほとんどが暴力によって解決されてしまう。殺してしまえば全部終わりだと言わんばかりに。しかし最後だけが違っていて、この三つ巴の間にジュールスはなんとか暴力でない方法によって解決することに成功する。
カタルシスではないがかなり感動的な終わり方だ。
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