chitchipapa

アリゾナのchitchipapaのレビュー・感想・評価

アリゾナ(1939年製作の映画)
4.1
『スミス都に行く』の代議士秘書役で存在感ある演技をしていた女優ジーン・アーサーが主役の西部劇ということで、以前から是非観賞したいと願いながらなかなかその機会が現れなかったので、ついにDVDを購入して満を持して観ました!
ストーリーは1860年代のアリゾナ準州ツーソンという荒野に囲まれた小さな街を舞台に、男勝りの女性がパイ屋や運送業を営みながら自分の牧場を持つという夢を実現させる物語。
勝ち気が災いしてペテン師に牧場を巻き上げられる寸前のところを、彼女に思いを寄せる若者ウィリアム・ホールデンがペテン師の悪事を暴き、撃ち合いの末悪人を倒して一件落着という西部劇の王道です。
ジーン・アーサーは30歳代後半から売れ出した遅咲きの女優で、当作品が公開された1940年には既に40歳です。映画での年齢設定は分かりませんが、いずれにせよライフル銃を軽々と構えてシャキシャキの西部女を演じる映像からはとても40には見えません。
一方のウィリアム・ホールデンは、所謂アイドルスターとして銀幕に登場して当作品が4作目。公開当時はまだ22歳の若さです。
この18歳も年上の姉さん女房役との絡みが非常に初々しく新鮮で、彼女からの様々なお使い仕事を健気に務めて、「もっと褒めてよ!」と甘える所が何とも微笑ましく、この映画にほのぼのとした牧歌的な味付けを加えています。
最後に蛇足ですが、この作品から13年後公開の『シェーン』で、ジーン・アーサーはアラン・ラッド演じるシェーンに密かに恋心を抱く農夫の妻を演じています。『シェーン』を最後に彼女は銀幕を離れ、その後はTVにその活躍の場を移しました。
chitchipapa

chitchipapa