千年女優

ピンポンの千年女優のレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
3.5
天真爛漫で自信家のペコと、不愛想で優しさから実力を発揮しないスマイル。共に卓球を愛し、才能にも恵まれた親友同士の男子高校生二人が、チャイナにアクマ、ドラゴンといった次々に現れる個性的なライバルにその道を阻まれる中で関係性を変え、やがて最強の座をかけて対決に臨む様を描いた松本大洋の漫画を原作とする青春映画です。

個性的なキャラクターを持った敵が主人公達の闘志に火を付けて成長をうながし、最後には正反対の個性を持つ幼馴染二人のライバル対決に収束していくという少年漫画においては王道とも言えるスポーツ青春物語を、いずれも人気のある宮藤官九郎の脚本と、窪塚洋介や中村獅童といった個性派俳優達の演技でエッジを付けて表現しています。

あくまで漫画だからこそのふたつの要素、精神論重視の展開と人間離れしたアクションを映画的な物語の改編やCGで無理矢理に成立させる作りの粗がやや気になるところもありますが、窪塚洋介を中心としたマジックを起こす要素の組み合わせの妙で作品を成立させている一作です。「この星の一等賞になりたいの、卓球で俺は。そんだけっ!」
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