フッカー

ピンポンのフッカーのレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
4.0
あつがなついぜっ!!!!熱血スポ根!!!
原作やアニメを見てから映画を見るという珍しいパターン
原作のペコとスマイルというキャラクターを上手く表現していた。

このピンポンという作品
原作漫画 アニメ 映画 どの媒体でも光る魅力溢れる稀有な名作だと思っている。それは、ピンポンという一つの作品をそれぞれの媒体で特質を活かして、それぞれが料理して固有の味にしているからだっ!!!
原作とアニメの各々固有の魅力も語りたいがここは映画のレビューのため割愛する。

このピンポンで強く描かれるは、才能の有無。そして勝者と敗者。自分がピンポンが好きなのはこの「敗者」に強くフォーカスしてくれているからだ。
中でも最たるは、アクマ。
努力の鬼。努力の権化。
「血へど吐くまで走り込め。血便出るまで素振りしろ」
追い込み磨り減らしただ力を、才能を追い求め愚直に努力する。
その彼の姿が愛おしい。

そんな彼と対峙するはスマイル。
卓球など死ぬまでの暇潰しという彼。別に追い求めているわけじゃない。彼はただ待っているだけ。
「才能とは追い求める者のみに与えられるものではないからな」
風間の台詞が耳に残り、そしてアクマの悲痛の叫びとスマイルの台詞が心に刺さる。
「一体何処で間違えた。なんでお前なんだよっ!!!」
「それはアクマに卓球の才能がないからだよ。騒ぐほどのことじゃない、ただそれだけだよ。」

あぁアクマよ。このピンポンという作品のある種の残酷さが表れる。
ただね!!!俺が大好きなのはこの負けてただそれで終わりにならないとこなんだよ!!!

自らの才能のなさに気付き、集団からは弾かれたアクマ。そんな彼だからこそ気付けることがある。
それは単に卓球に関する話ではなく、人生の話。生き方の話。
アクマ大きくなったよ。人として大きく成長した。だから
「少し泣く」ってところ響く。

敗者のドラマが濃く描かれるピンポン
そしてこの映画というバージョンで固有の魅力と言えるのは、親しみやすさ。物語の進みがテンポ良く見やすい。
そして原作にない笑える台詞をちょこちょこ足してくれてる。大田の感じとかね笑
この笑いの雰囲気は映画の魅力かな。

一方時間の関係上人物達の背景の話、抱えるドラマは多少薄くなっていた。
俺の大好きなアクマはフォーカスされてたから良かったけどね笑
あと原作にある削るような荒々しさは、清々しく爽やかになった印象。

別々の道を行き再び出会うペコとスマイル
宿命の二人。ヒーローが帰ってくるまで原作だと二人の会話ってほとんどないんだけど、少し二人の絡みが増えててそれは良かったなヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

急所をしっかり抑えたピンポンのエネルギーが溢れる作品。卓球シーンもスピード感あってよい。名作!!!