このレビューはネタバレを含みます
『ソラニン』『ジョゼと虎と魚たち』に続いて邦楽つながりで『ピンポン』を観てみることに。
名作映画として名高いイメージがあったけど、原作を読んでるだけになんか「うおー」とはなりきれず、特に高校生をおじさんたちが演じてるのがどうしても気になったり、漫画と比較して乗り切れない部分はあった。
元からストーリーはおもしろいしスーパーカーなどBGMも最高でそれなりには満足。窪塚洋介の棒読み風の演技がペコのキャラと合ってて絶妙。井浦新（当時はARATA名義らしい）もかっこいい。
たぶん漫画と比較すると、序盤の「ペコとスマイルの関係性描き出しパート」「スマイルとペコが微妙に部活で浮いてるパート」「コーチとスマイルの関係性パート」などなどの前振り的な要素にかけられる時間がないから、その分駆け足で原作にある要素を追っていくような印象になってしまってて、映画の作り手の責任というよりは長い漫画を映画化する難しさかもしれないとは思う。
アニメは11話かけて原作よりボリュームアップして名作らしいからそっちも近いうちに観たい。
エピローグのパートが短くて、最後のシーンで映るペコとスマイルの笑顔の写真がまとめ的な役割だけど、ペコとスマイルの笑顔があんまり自然じゃなくて、スマイルは手を抜いたのかもしれない……という気持ちになって、手を抜いたかもな、と思えるのはそれはそれで面白いから良いと思った。
だいたい膝が終わってる選手が優勝できるわけないし、決勝でスマイルが手を抜いて、歴史が繰り返した……って思ってもそれはそれでおもしろいというか。才能はじっさいペコの方があった、ってことでいいし。
アクマが「少し泣く」って言うシーンと、ペコが橋から飛び降りるシーンが二回あるのが好きだった。ペコが飛び降りて数年後に窪塚洋介が自分のマンションから飛び降りると思うと、いい話だなー……
