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英雄の証明のmiumiuのレビュー・感想・評価

英雄の証明(2011年製作の映画)
3.7
英国ナショナルシアターが期間限定で配信している『CORIOLANUS』を観たくて、予習のつもりで鑑賞。

シェイクスピアの最後の悲劇(シェイクスピア存命中の上演記録が残っていない)とされる『コリオレイナス』を、現代を舞台に置き換え映画化した作品。
「ローマ」という名の現代の架空の都市を舞台にしつつ、台詞や展開はもとの戯曲に忠実にしているっぽい。(原作は未読)

観た後で知ったけれど、レイフ・ファインズの初監督作品だったのね。
レイフ・ファインズは主演、製作も兼任。
私は『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』の頃からレイフ・ファインズ好きなので、シェイクスピア劇を演じるレイフ・ファインズを観られて大満足。
でも思い入れが特にないと、現代設定でシェイクスピアの台詞まわしなのに、若干違和感を覚えるかも…


ストーリーは、戦で功績を挙げ「コリオレイナス」という称号を貰った主人公マーシアスが、親の望みもあり政界を目指すものの上手くいかず、様々な苦難に直面する… というもの。

マーシアス(コリオレイナス)の宿敵オーフィディアス役はジェラルド・バトラー。
ジェラルド・バトラーも大好き、私得なキャスト。
ただ、映画中心に映像作品で活躍する俳優というイメージ、シェイクスピア作品に出演しそうなイメージはなかったから、どういう意図でのキャスティングなのか気になるなあ。(レイフ・ファインズが監督ということは、あえてジェリーを選んでキャスティングしたということでしょ。)
育ちの良さそうなマーシアスと荒っぽい風貌のオーフィディアス、ということで好対照な良いキャスティングではある。

現代を舞台に置き換えていることもあり、展開がわかりやすい。
戦場での功績で英雄的にもてはやされた主人公が、頑なな性格と周囲の画策ゆえに政治の世界では堕ちていく、など至ってシンプルなストーリー。
シェイクスピア劇の台詞まわしがレイフ・ファインズによく合っていて、監督デビュー作として選んだのがこの話なのも納得、だった。


(追記)
Wikipedia 見たら、ジェラルド・バトラー、映画デビューする前に『コリオレイナス』舞台版に出演経験があるのね、なるほど!
(もしや俳優デビュー作が『コリオレイナス』? いずれにしても初の大仕事がこの舞台っぽい。)
知っていて起用したとしたら粋なキャスティング!
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