メイマーツインズ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
4.1
《彼の敵は世界》

公開当時映画館で。
ソフトも所有していて、数回鑑賞している作品。
”お名前はアドルフ?〟の流れで再鑑賞。

アドルフ・ヒトラーの人物像に迫った作品で、他国ではなくドイツ人自身によって制作されたことに意義がある。
ドイツ映画界で活躍していた名優ブルーノ・ガンツがヒトラーを熱演していて素晴らしい!


”狂気の独裁者〟アドルフ・ヒトラー。

自分が初めて興味を抱いた歴史上の人物。
小学生の頃、テレビで放映していたロバート・ミッチャム主演の戦争ドラマ”戦争の嵐〟に夢中になった。
フランクリン・ルーズベルト、チャーチル、ド・ゴール、ムッソリーニ、スターリンといった第二次世界大戦を動かした歴史的人物たちの世界に子供ながらロマンを感じ、その中でもヒトラーの存在感は別格だった。
それ以降、ヒトラー関連のマンガ、書物を読み漁る珍しい少年に。だから、この作品には思い入れがある。

忘れてならないのは、ヒトラーはドイツ国民に民主選挙で選ばれた人物だということ。熱狂的支持を得ていたのを考えるとカリスマ性があり魅力的な人物だったのだろう。
今作では、秘書を気遣う彼の一面も描かれている。
アウトバーンといった多くの経済政策で当時疲弊していたドイツを立て直したのは、紛れもなくヒトラー率いるナチスだ。
一党独裁で資本主義経済というシステムで進めたスピード感のある国家戦略・経済政策の功績は否定できず、現在の中国共産党はナチスを参考にしているのは間違いない。

”歴史は勝者がつくる〟

歴史にifはつきものだけど、アメリカ参戦がなければイギリスの降伏は必至だった。
そうなるとナチス・ドイツはソ連との戦いにも勝利していた可能性が高く、戦後アメリカと日本で世界を三分していたかもしれない。そうなれば、ヒトラーは間違いなく”世界的英雄〟になっていたはずで…。
そういえば、そういう設定の海外ドラマがあったな~🤔

ヨーロッパ侵略、ホロコースト…
悪名高い独裁者ヒトラーの最後の姿を真摯に描いた作品で、勇気あるドイツの制作陣に拍手したい👏
ヒトラー自決の後が長〜いけど(苦笑)、歴史映画の傑作です!