かずシネマ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のかずシネマのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
3.6
【わたしは間違っているが、世間はもっと間違っている】

秘書だったユンゲさんのインタビュー映像からスタート。終わりもそう。
面接の場面なんか、ごくごく普通よな。
普通としか言いようが無い。
中々チャンスの無い状況下で、物凄いポストの職へ仲良し同士で面接受けに行って、緊張して、1人が受かったら皆で喜んで…。
ワンコで緊張を和ませてくれてさ。
結果を知っているからそれらすらヒリヒリするのであって。。

ヒトラーの人間味ある描写に賛否あったみたいだが、人間味のない人間があんな事できんと思う。そもそも人間味がなかったら支持なんて受けず、あれだけ巨大なものにならなかっただろうし。
持ち上げる人間もいなかったろうし。
人間味のある人間達があんな事を引き起こしたから怖いのであって。
あの状況だから普通の事が異様に映るのであって。

美大に受かっていたら、第一次大戦の影響が無くあのまま絵で食っていけてたら、オーストリアで友人のクビツェクと仲良くそれなりに平和に過ごせてたら、どうなっただろうと思うよ。
大学に受かっていればもしかしたらエゴン・シーレとも親しく…なってないかw

ゲッベルスの子供達が可哀想だった。
あのまま、子供達だけが何処かに逃がされていても明らかに茨の道ではあったけど…。
でも本当にまだ何も分かっていない子供じゃないか。。

家族や友に別れも言えぬまま戦地で散った人々、悪い事は何もしていないのに突然に命を絶たれた一般市民の人々。
残されたその家族や友人。
それらの人々よりも、裏切りや嘘や欺瞞に満ちていても、沢山の人が離れていっても、それでも最期に周りに人がいた事はある意味で贅沢で救いだったのかもな。
救いなんて言葉を使ったら「そんなもんアイツらには必要ない」って言う人が絶対いるけど。

ブルーノ・ガンツは血圧を心配してしまう程の熱演だった。
作品開始の場面と終わりの方の場面とでは、すっかりやつれて5歳は老けて見えた。


嘘字幕もだけど、空耳日本語字幕つけられる人って尊敬するわ。外国映画だけでなくて逆再生とかへの空耳も。
どうしてこれの日本語の空耳がよりにもよっておっぱいぷるんぷるんなんだよ畜生め。ドイツ語リスニング能力が足らんかった…からそうとしか聴こえねぇよ。ふぁいっ嫌いだ。
かずシネマ

かずシネマ