ナツミオ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のナツミオのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
4.0
WOWOW録画鑑賞
過去鑑賞も未レビューのため、再鑑賞。

過去の未レビューにイイね!とコメントを頂いた皆さまありがとうございます。

独裁者ヒトラー最後の日々をドキュメンタリータッチで描き、その知られざる姿を浮き彫りにしていく歴史ドラマ。
ヒトラーを演じるのはスイスの名優ブルーノ・ガンツ。

アカデミー賞アカデミー外国語映画賞にノミネート

原題 『Der Untergang』
英題 『Downfall』(独語で没落、失脚の意)

2004年独・オーストリア・伊作品
監督 オリバー・ヒルシュビーゲル
脚本 ベルント・アイヒンガー
原作 ヨアヒム・フェスト『ヒトラー 最期の12日間』鈴木直訳、岩波書店、2005年
トラウデル・ユンゲ、メリッサ・ミュラー『私はヒトラーの秘書だった』足立ラーベ加代・高島市子訳、草思社、2004年
音楽 ステファン・ツァハリアス
撮影 ライナー・クラウスマン
出演 ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ ユリアーネ・ケーラー
日本語字幕 太田直子

(NHK番組内容より)
独裁者ヒトラー(ガンツ)がベルリンの地下の要塞で過ごした最期の12日間をドキュメンタリー・タッチで描く歴史ドラマ。

「ベルリン・天使の詩」などで知られるスイスの名優ブルーノ・ガンツがヒトラーを熱演、強烈な印象を残す。

歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションとヒトラーの個人秘書ユンゲ(ララ)の回顧録をもとに、ドイツの映画監督オリバー・ヒルシュビーゲルが、ヒトラーの人間性を真摯に描き論争を巻き起こした問題作。

史実に基づいており、登場人物は実在の人物。テロップは入るが登場人物が多く混乱するので、まとめると…

【主要出演者】
・アドルフ・ヒトラー(総統)
- ブルーノ・ガンツ
〜ドイツの名優。スイス出身。ヒトラーのなりきり振りは感嘆‼️
左手の震えの演技‼️

・トラウドゥル・ユンゲ(総統個人秘書官)
- アレクサンドラ・マリア・ララ
〜最後の総統官邸からの脱出シーンは緊迫感。最初と最後にご本人登場。原作の著者。

・エヴァ・ブラウン(ヒトラーの愛人、死の直前に夫人となる)
- ユリアーネ・ケーラー
〜15年連れ添ったがヒトラーの内面は理解できていない。

・ヘルマン・フェーゲライン(親衛隊中将、エヴァの義弟)
- トーマス・クレッチマン
〜『戦場のピアニスト』『タクシー運転手』『アーニャはきっと来る』でお馴染みの俳優さん。

・ヨーゼフ・ゲッベルス(宣伝相)
- ウルリッヒ・マテス
〜ゲッペルスに激似。総統の友人。総統と共に夫妻で殉じる。

・マクダ・ゲッベルス(ゲッベルス夫人)
- コリンナ・ハルフォーフ
〜子供達に毒薬を飲ますシーンは苦しい。

・アルベルト・シュペーア(軍需大臣)
- ハイノ・フェルヒ
〜陥落寸前、ヒトラーに別れを告げに来る。総統命令の建物破壊指令を無視したことを告白。

・エルンスト=ギュンター・シェンク(親衛隊大佐、軍医)
- クリスチャン・ベルケル
〜スキンヘッド。撤退を拒み病院に残る。

【親衛隊】ヘルメットや襟章"SS“のマーク
・ハインリヒ・ヒムラー(親衛隊長官)
- ウルリッヒ・ネーテン
〜ヒトラーに1番近い腹心。裏切って脱出し、和平交渉でヒトラーを激昂させる。

・ヴィルヘルム・モーンケ(親衛隊少将、官庁街防衛司令官)
- アンドレ・ヘンニッケ

・オットー・ギュンシェ(親衛隊少佐、総統警護隊員、ヒトラーの個人副官)
- ゲッツ・オットー
〜ヒトラーの最期、自室前で警護。死亡後、遺言を実行する。

【国防軍】
・ヘルマン・ゲーリング(国家元帥、空軍総司令官)
- マティアス・グネーディンガー
〜体型以外はあまり似ていない。

・ローベルト・リッター・フォン・グライム(空軍元帥、空軍総司令官)
- ディートリッヒ・ホリンダーボイマー
〜ハンナ・ライチュと共に航空機で総統官邸へ到着。ゲーリング更迭後、空軍の総司令官に任命。ゲーリング逮捕のため、再びライチュと共に帰還。

・ヘルムート・ヴァイトリング(陸軍大将、首都防衛司令官)
- ミヒャエル・メンドル
〜いかにも叩き上げの将官役。

・ハンナ・ライチュ(パイロット)
- アンナ・タールバッハ
〜著名な女性飛行士。包囲されたベルリンへ飛行機で突破しヒトラーに面会。
女性初のヘリコプター、ロケット戦闘機、ジェット戦闘機搭乗者として知られる。

【総統地下壕スタッフ】
・ゲルダ・クリスティアン(秘書)
- ビルギット・ミニヒマイアー
〜ユンゲの同僚、友人。

【ソ連赤軍】
・ワシーリー・チュイコフ(大将、赤軍第8親衛軍司令官)
- アレクサンドル・スラスチン
〜ドイツの条件付き降伏を一蹴。

印象のシーン
・ヒトラーの発言が朝令暮改。
精神にも異常をきたしている。
部下の進言も耳に入らず。
「国民は自業自得だ!」

・ベルリン市民、老人、子供も兵士としてかき集め無駄な犬死させる。

・逃亡や非協力市民は即刻処刑。

・ヒトラーユーゲントに加わった少年。父の言う通り仲間の少年・少女たちは皆死んでしまう。

・家に帰った少年が目にする父母の無残な姿。

最後に、
国家の指導者の狂気に多くの国民も命を落としたドイツ。
当時の日本も独裁指導者で徹底抗戦していれば、更に原爆の投下、上陸作戦で更に多くの死傷者が出ていただろう。
沖縄と同様に本土決戦は多くの民間人を巻き込んだものになったであろう。
日本の無条件降伏は、遅すぎた判断ながらも、このような戦いが避けられ、結果、今の日本があることは感慨深い。
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