うたまるさん

チェイサーのうたまるさんのレビュー・感想・評価

チェイサー(2008年製作の映画)
3.9
良い意味も悪い意味も含めてこれが韓国映画!(個人的感想ww)

鑑賞してから大分経っていますが、感想を掲載していなかったので改めてレビューを載せます。

それはまだ私が韓国映画をあまり知らなかったころ……
「オールドボーイ」に恐怖と旋律を覚えるもまだ韓国映画の全体像がつかめていなかった私が手に取ってしまったのが、今作「チェイサー」。
DVDパッケージにも記してあるが、韓国のソウル連続殺人事件をモデルに作られた作品ということで鑑賞してみました。

もう、全身に力が入りっぱなし…。
眉間にもしわが寄りっぱなし…。
ストーリーを追いながらも日本映画ならこの後どうするかな?などと考察しながら観ていると、はっきりとした違いが浮き上がってきます。
韓国映画では暴力描写はよりリアルを求める傾向があり、日本映画では血の色も朱色に近い明るい色を使うのに対して韓国映画ではどす黒くドロドロした血のりを使います。殴打する音についても日本ではそんな音するか―!みたいなSEですが、韓国の効果音は肉に食い込むような生々しい物を使う傾向にありますね。もちろん、これらは前述した2作品以外も観たうえで感じたことです。
さらに、韓国映画あるあるで言えば、韓国警察のイメージですが、今まで観てきた作品の中でまともに機能していた韓国警察はほぼ皆無ですwwあくまでも映画の中の世界ですから現実は違うと思いますが、今作「チェイサー」についてももっと警察がしっかりしていてくれていれば、最後の2件の殺害は防げていたんじゃないかと思います。
まあ、それをしっかりとバッドエンドまで描き切れる作品の凄みは日本映画も見習うべきところはありますね。日本映画ではついつい万人受けするために日和ったハッピーエンドが主流ですからね。

それにしても今作の面白いところの一つが、犯人捜しで尺稼ぎをせずに物語の中盤であっさりと犯人を明らかにさせるところ。
日頃から日本の映画やドラマに慣れ親しんでいた私にとっては、アレ?この映画もう終わり?なんて思ったのもつかの間、むしろそこからグイグイとディープなほうへと進めていき、もう終わってよー!今すぐエンディングにしちゃってよー!と体中に力を入れながら鑑賞することとなりました。

ここでもやはり韓国映画あるあるとしましては、日本の映画のようにストーリーはあっさりと終わらせて残りの時間はアイドルのイメージ映像をぶち込んどけ!みたいな(これも個人的感想ww)展開ではなく、脚本がどれも中身を濃く描いている印象で、何度も何度もエンディング一歩手前を感じさせられます。これこそが、今の私が韓国映画にはまった理由ですね。

今回の作品はもっと高い評価をつけたいところではありますが、こんな猟奇的な映画に対して高得点をつけると、私自身の人格を疑われかねないのでとりあえずこれぐらいの評価にしました。
もしかしたらあなたにとっても韓国映画にはまるきっかけになってくれる作品かも。オススメです。
うたまるさん

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