若草

チェイサーの若草のレビュー・感想・評価

チェイサー(2008年製作の映画)
3.7
バイオレンス描写やかっこいいカメラワーク、臨場感は期待通り楽しめた。
坂を走って追いかけるシーンなんか、息が切れる苦しさや脚が重くて進まなくなるしんどさまで感覚的に伝わってくるようで撮り方も演技も上手い。
でも他の名作と比べると、ストーリーと人物造形の面でちょっと弱い。
主人公も殺人犯もキャラクターとしての魅力があまり感じられなかった。

デリヘル嬢の話だから韓国ノワールでは珍しく性的な話題が出てくる。
でも不要なエロは描かないのが本当に好き。
これが日本映画なら、キモ客とのセックスやそれに近い場面しつこいほど入れてくるだろうなと思うだけで見る気失くす。
だから韓国映画を観たくなるし信頼できる。

『悪魔を見た』同様、被害者が同年代の同性だとかなりしんどい。
最後の絶望感。
警察が無能でクソすぎてイライラする。

子どもが出てきて事態を引っかき回す系が苦手なんだけど、これはひたすら可哀想だった。
その点は『ただ悪より救いたまえ』とちょっと重なる。
若草

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