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ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレのpepeのレビュー・感想・評価

4.1

42歳という若さで難病により亡くなった天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ。
彼女の姉・ヒラリーがジャクリーヌの死後に出版した、『風のジャクリーヌ:ある真実の物語』という著書をベースに作られた映画。
ヒラリーの著書は20年ほど前に読んでいたのですが、なかなか衝撃的な内容でした。

映画では、前半は姉ヒラリー目線、後半は妹ジャクリーヌ目線で描かれています。
『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』という邦題がついていますが、
本当の『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』を私は知らない。
ジャクリーヌ目線の描写だって、想像でしかないわけで。
この映画は、ヒラリーが一方的に暴露した内容を基に作っているフィクションとして捉えないと、死人に口無し状態のジャクリーヌに申し訳ないと思いました。

第三者である私に見えている真実は、
ジャクリーヌが遺した素晴らしい演奏音源。
それだけです。


前置きが長くなりましたが(笑)、ここからは純粋に映画としての感想。

姉妹間の愛と妬みを嫌というほど見せてくれる本作。そして、天才の孤独と苦悩。
凡人の私からすると才能って喉から手が出るほど欲しいものですが、
与えられた人が必ずしもその才能により幸せになるとは限らないのですね。
世の中には、
活かされていない、または活かさない選択をされた才能がたくさんあるんだろうなぁ。

そしてなんと言っても。
エミリー・ワトソンの圧巻の演技!!
それだけでも観る価値があると思います。
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