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ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレのellieのレビュー・感想・評価

3.5
自分のなかに天才週間みたいなブームがあって、その頃観た映画のなかでも突出して覚えている印象的な映画。

エミリー・ワトソンが凄すぎて、デュ・プレが憑依しているんじゃないかと思ったほど。過剰すぎる情熱、エキセントリックで自由奔放な言動、いささかの狂気と、破綻したそれらの性格を支える誰かがいなくては、およそ社会で天才は天才たり得ない。姉と妹の、別々の視点で語られる物語を見つめながら、これが実話だということを何度も確かめずにはいられない展開。

だが果して、妹ヒラリーは姉の犠牲者だったのか。
そして、天才に生まれつかざるを得なかったデュ・プレの生涯もまた、幸せだったのか否か。音楽の素晴らしさと恐ろしさを垣間見ながら、実にさまざまのことを考えさせられる。
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