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蜘蛛巣城のもものレビュー・感想・評価

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)
3.9
「マクベス」の冗長な部分を全てそぎ落とし、主人公の葛藤に絞ってストーリーを作っているのは良い
三木の暗殺に「奥方の妊娠」という合理的な理由を与えたのもクレバー
とはいえあらゆる枝葉(特にマクダフのエピソード)をそぎ落としたばかりにスケールが小さくなってしまった感は否めない
マルコムがわざと自分を卑下してマクダフを試すくだりとかは入れても良かったのではないか
あと合戦やアクションシーンを省略したいのが見え見えでちょっと冷めてしまう
主君殺しのシーンを見せないのはいいとして、三木暗殺のシーンはちゃんと描写した方が良かったのではないか
暗殺を命令するくだりすら飛ばしていきなり亡霊が出てくるのでかなり変
ラストシーンは有名なのでどういうものか知ってはいたのだが、合戦のあとにああなるものだと思っていたので(『マクベス』では合戦するからな)、実際にそのシーンになったときは「合戦しないのかよ……」という落胆のほうが大きくてあまり心を動かされずに終わってしまった
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