りょう

蜘蛛巣城のりょうのレビュー・感想・評価

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)
3.3
とある大名の家来が森の中で不思議な老人の物の怪に出会い、出世するという予言を受けることから物語は始まる。予言が次々と的中していくうち三船扮する主人公は業欲にかられ遂には修羅の道を突き進んでゆく。
かつて安部公房が日本映画には不可解さが全くないと言っていたが、黒澤明の時代劇はまさにそのいい例だろう。テーマに沿った物語の骨組みをしっかりと仮構して制作しているというのがよくわかる。黒沢映画を観た後のある種の爽快感はこの割り切れた抜け目のない構成によるところが大きいと思う。
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