ゆうがお

蜘蛛巣城のゆうがおのレビュー・感想・評価

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)
4.0
「乱」の時の『リヤ王』と同じく、これはシェイクスピアの『マクベス』のオマージュ。時は戦国時代。鷲津武時は謀反を起こした敵を討ち、友と2人帰途の森でもののけ老婆から不思議な予言を聞く。正に予言通りになり始めると、出世欲に駆られた妻の強い後押しで自らも大殿を暗殺し罪を他人になすり付け下剋上をはかる。しかしこの妻、かなりの悪女かと思ったら案外主人公と同じ小心者だったとは…。自らの強い意志で事に当たれなかった男の末期が寂しい。