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グラン・プリのBOBのレビュー・感想・評価

グラン・プリ(1966年製作の映画)
3.8
1966年のF1グランプリを舞台にした、ジョン・フランケンハイマー監督の超大作。

"So it has always seemed to me that to do something very dangerous requires a certain absence of imagination."

最高峰のレーシング映画🏎️🏁。カーレースシーンは圧巻だし、F1の熱気と興奮は画面からびんびんに伝わってくる。メロドラマは少々冗長だが、勝利至上主義の厳しい世界で戦うF1レーサーの意地とプライドを懸けたドラマは見応えがある。100%F1賛美映画とせず、F1の負の側面を描いている所にも好感が持てる。意外にも、後味の苦い作品である。

カーレースシーン。エンジン音が鳴り響くモンテ・カルロのオープニングシークエンスから気分は最高潮。分割画面やオーバーラップといった編集の妙もあり、50年以上経った今観ても古臭さは感じない。事故シーンも壮絶で、死と隣合わせのスポーツであることを痛感する。

ジョン・フランケンハイマー監督。『Ronin』のカーアクションの原点はここにあったのか。まだ5作目の鑑賞だが、爆撃機、機関車、レーシングカーなど、乗り物アクションの撮影が素晴らしい。思わず唸らされるほどの臨場感や迫力がある。

本作でハリウッドデビューした三船敏郎。男前すぎる。洋装も和装もエレガントだし、サムライ精神も見せる。本作のヤムラ(三船敏郎)は、『ブラック・レイン』のマツモト(高倉健)とサトウ(松田優作)、『インセプション』のサイトー(渡辺謙)と肩を並べる、洋画のお気に入り日本人キャラクターとなった。

観客の首振りシーンが地味に好き。テーマ曲も心躍る。

ジェームズ・ガーナーが演じた主演の第一候補は、マックイーンだったらしい。その後マックイーンは『ル・マン』を制作することになる。

"In the war, I was a fighter pilot. I shot down 17 American planes."
"I believe that some things must not be left unsaid. There will come a time when you will ask yourself, "What did he do in the war, this man, Yamura?" "

47
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